2007年05月07日(月)
プチ整形と駆け込み [美容医療界]
連休中はTVで美容系の番組が沢山放映されていましたね・・・
ダウンタイムが短い「プチ整形」や光学機器による治療が紹介されていました。視聴者の勘違いを起こすような内容もあり、戸惑いを覚えました。
正確な内容を伝えるのは難しい事だと思います・・・
しかし、「プチ整形」は今後も益々、一般化してくる予感ですね。
ベンクリニックでは「プチ整形」の多くを「インナーメイク」と位置づけています。特殊メイクと同じ考えですから、崩れることもありますし、何時かは効果がなくなります。ただ、医療技術を用いますので、効果が高く、持続性も長いというのが特徴ととらえています。
連休前から、他院のプチ整形術後の駆け込みが続きました。
あるクリニックで埋没重瞼をうけたものの固定点でラインができていないのでクレームをいいに行ったら、その場で小切開手術を追加された・・・しかし、やはりラインは全然違うところにできていました。無茶苦茶です・・・手術をされたクリニックをインターネットで調べると、重瞼の症例数の多さとオリジナルの理想的な手術方法を紹介してありましたが、いかにも自由自在に色々な手術をこなせるように書いてありますが、現実の実力とのギャップに閉口してしまいます。
これではWEBで検索する一般の人は、欺されざるをえない・・・
医療にマジックはありません。「正確な解剖を知っている」思いどおりに「切る」「縫合する」・・・修得するのに10年以上はかかります。
ベンクリニックのスタッフは形成外科医として「顔面外傷」を専門にしてきた経歴を持ちます。顔面のあらゆる部位の解剖を実際に断面や剥離面でインプットするトレーニングを積んでいます。また、先天異常の手術を通じて正常な解剖構造を再建するトレーニングをしています。症例が豊富な施設で10年以上形成外科をやってきて、なんとか一通りの基本的な手術トレーニングを受けた印象です。
別のクリニックで上眼瞼の脂肪除去手術を受けた方は「20分程度」といわれたが実際には「2時間」かかった・・・結果も術前と全く変わらず、何の改善もなかった・・・と受診されました。前医の切開部位を見ると、とても目的を達する事はできない位置を切開していました。20万円が水の泡です・・・
「ちょっと切って、わずかに脂肪を切除して、ハイ、何万円・・・」のビジネス優先クリニックで修行してきた結果だと想像します。
そこのクリニックのホームページは芸能人と対談を使っての「立派」な広告でした。一般の人には妖しいと感じさせる部分が見つかりません・・・共通しているのは、卒後に自分が選んだ専門科をドロップアウト、有名美容外科チェーンで数年だけ修行しただけで「患者様の立場に立った理想の美容医療」を行うと改心したと云っていること、そして形成外科のトレーニングを正式に受けていないことです。
修行中は「患者の立場に立っていなかった」とも言えます。人を欺くことに慣れてしまったのでしょうか・・・
医師として一人前になる前に、自由な世界に逃げ出し、常識ある医師の基準で評価されることもなく、「美容医療」という世間から隔絶された世界で、不正確な手術を重ねる・・・自分では一人前になったつもりで・・・結果は上記で紹介した2例のように「半人前」です。
大手美容外科で何千例・何万例手術をしてきても、不正確な手術では意味がありません。基礎がデタラメならその後の全てがデタラメになります。
皆様の大切な身体を任せる医師です。
どうか、まず医師になってからの経歴を十分にお調べ下さい。
「某美容クリニック」の部分も詳しくお尋ねください。
自分の五感全てを使って、担当医師の真実の力量を見据えてください。
美容外科は、もちろん医療です。形成外科の一部と認知されています。
医療ですから結果が担保されているわけではありません。不満足な結果で叱られることもあります。しかし、ある限度のレベルが必要ではないでしょうか・・・?
皆さんの目で「医療機関」として設備が十分に整っているクリニックをお選び下さい。
手術室がテナントビルの内装のまま・・・
ホコリまみれの外気が入る部屋・・・
心電図、酸素吸入器、吸引器、麻酔器・・・が見あたらない・・・
これでは、外科には不十分だと思います。
設備投資をしないからコストが安い・・・というのは詭弁だと思います。
トラブルで後悔しないように、皆様の一般的常識をはたらかせる事を切望します。
Posted by 管理者 at 12時10分
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