2010年05月26日(水)
アポロ13号 [成院長からの一言]
一昨日の新聞にアメリカの月探査船「アポロ13号」の打ち上げから40年と題された記事がありました。
このアポロ13号は月への周回軌道に入るところで酸素タンクが爆発する事故が発生、船内の電力供給が乏しくなり、月の着陸を断念した宇宙船です。映画にもなりご存知の方も多いと思います。
この地上から遥か彼方離れた宇宙空間での3人の飛行士を救うために地上の管制室ではスタッフ全てがあらゆる策を考え尽くし、宇宙船内で出来る可能性のある事を指示し、それを宇宙船の乗組員が確実に遂行して、無事に3人を帰還させる事が出来ました。
この出来事は、その後「成功した失敗」、「偉大なる失敗」と呼ばれています。
医師も、内なる宇宙=人体をいろいろと操作して、個々の人々の健康や生活を助ける手助けをしています。その手助けの遂行中に、不具合や予期せぬ状態になる事もあり得ます。状態を悪化させないように、予防することを常に考え、先手を取ってより安全に個々を導いて行く事が必要です。
たとえ小さな不具合でも、そのリカバリーをどのようにするかは、上記のように「成功した失敗」「偉大なる失敗」を自分のものとして頭の中に学習しておき、またそのことをふまえた上に、さらに個人の状態を照らし合わせて、その場その場に対応していかなければならいと思います。
医学界では、症例報告が良く行われます。ある一つの病気、ケガに対しても、その状態や個々によって対処法や治療法が異なる事で報告を上げ、他の医師にその症例を広げます。
「成功した失敗」はあくまでも予定から見ると失敗ではありますが、この事は非常に大事な事だと、記事を読みつつふと考えさせられたました。
Posted by 管理者 at 10時16分
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