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2008年12月08日(月)

第3回 日本美容抗加齢医学会:J3A <その1> [美容医療界]

学会報告です。

11月30日に横浜で開催された
J3A
という学会で勉強してきました。

プログラムにしたがって1セクションごとに5回に分けて、コメントをアップしていきます。
まず<その1>として、

パネル1:肝斑治療のための戦略
 6年前に開業した当時は、
肝斑には光・レーザーなどの治療は禁忌
だとされていました。理由は
肝斑の原因は分かっていない。
肝斑は刺激で濃くなってしまう。
など、ですが・・・
僕自身は、開業当時から、肝斑にも積極的にフォトRFやジェントルレーズによる光・レーザー治療を取り入れていました。
当時は、リスクがあることをして「バカな奴」と揶揄されたりしましたが、
痂皮をつくるほど強く照射しなければ、薄くできることが実感できていたので、積極的に照射していました。マイクロスコープで肝斑を観察していた経験と臨床医としての理論構成から、

僕の持論は

”肝斑は真皮にある特殊な血管(動静脈吻合)の不可逆的な異常が主因”

というものです。
すなわち、
@肝斑は左右対称に出る:
 血管走行や神経分泌などの解剖学的な要素が関与していると考えます。
A肝斑は刺激で濃くなりやすい:
 真皮内にある動静脈吻合の異常による、血流分布の変化を疑います。
B肝斑は慢性の刺激が主因をいわれています。
 慢性刺激のない状態でも、発症・増悪をすることもあります。僕は、急性・慢性を問わず、ある刺激が、不可逆性の血管の異常を引き起こしたことが、主因と考えています。
すなわち、毛細血管レベルではなく、
自律神経支配が存在する程度の太さを有する、
細動脈〜細静脈:動静脈吻合(シャント)
などの異常血管が、少しの刺激に対しても、血流量を変化させてしまい、透過性亢進やメラニンの過剰生成をしていると考えています。

したがって、初発時には、慢性の反復刺激は関係しておらず、
むしろ、生下時から存在している、顕在化していない解剖学的な病因
@血管異常A神経異常B胎生期の突起癒合時における異常
をベースにして
遺伝的に「易刺激性」が亢進している時期に、何らかの強い刺激が引き金になり、異常が顕在化して発症するのではないでしょうか。

以上から、僕は、炎症が起こることを押さえながら、真皮の異常血管に対するケアと、メラニン色素そのものを減らす治療を同時に行えば、肝斑は治療できると信じて、次の@からCの治療を続けてきました。

@トラネキサム酸で炎症が起きることを押さえる。
Aメラニンにはフォト・レーザーで積極的に治療する。肝斑に重なってあるシミには痂皮ができても構わない。
B異常血管を破壊できる機種を選択する。(フォトRF・ジェントル・Q−YAG)
C破壊した異常血管やメラニン産生細胞が正常組織に分化誘導されるように、イオン導入やメソカクテルなどで、代謝を正常化する栄養素を補充する。

です。

今回のパネルでは、ビックリするほどに、積極的な治療がディスカッションされていました。

「え〜〜、肝斑は刺激しないで、放っておくのが一番の治療!!と、あれほど、提唱していた、先生方が・・・・」
「手のひら返したみたいに・・・」
「フォト・レーザーを照射している、僕のことを、アホ!!と言っていたでしょう・・・」

僕の憤りはとまりません!!

点滴療法をはじめたときも、同じでしたが・・・

時代が、後で、追いついてくるのかな・・・
と、実感するパネルディスカッションでした。

<その2>へ続く・・・

Posted by 管理者 at 12時46分

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