2006年08月29日(火)
実験屋台[番外シリーズ] [休日に・・・]
夏休みの絵日記のネタが足りないと、娘にせがまれて、
日曜日に灘浜サイエンススクエアに行ってきました。
神戸製鋼が運営している入場無料の施設です。
イベントで「ものしりひろば実験屋台」というのがあり、「マイナス196℃のせかい」を子供たちの目の前で実演してくれました。
膨らんだゴム風船がなくなったり・・・(Mr.マリックさんもビックリ!)
気体の二酸化炭素が一瞬に固体のドライアイスになったり・・・(できたてのホカホカ?ドライアイスって!)
バラを瞬時に凍らせて、子供たちに手で割れる感触を体験させたり・・・(パリパリと薔薇の情熱もハカナク壊れる音!)
会場は大賑わいです。
秀逸だったのは、超伝導物質を冷やして磁石が空中に浮かぶ「超伝導」実験。あのリニアモーターカーの仕組みです!
「わぉ!浮いてるんやもん・・・そりゃリニアは早く走れるわけや!」
子供の手前、威厳を保つために表情こそ変えませんが、僕も少し興奮。
実演してくれたのは、ミニのワンピースに白衣姿、笑顔がとってもチャーミングな20代のお姉様博士だったので、会場のお父さん達も、それはもう、満面の笑み。
学校がこんな授業ばかりだったら、もう一度、お姉さん博士の生徒になりた〜い・・・かなっ・・・と。少しだけ夏の昼下がりの妄想を。
「マイナス196℃のせかい」の種明かしは、皮膚科ではお馴染みの「液体窒素」イボ取りなどで活躍するものです。
「実験屋台」・・・当院でも企画したくなりました。
Posted by 管理者 at 13時48分 パーマリンク
2006年08月22日(火)
トラブルも半永久的・・・?[シリーズ7] [美容医療界]
「たるみ改善」の目的で、他院でフィラー注入の施術を受けられたという方が当院に来られました。ご本人はコスト的な面から、半年〜1年で吸収されるヒアルロン酸やヒューマンコラーゲンではなく、「半永久的に持続効果のある注入物」を選択されたそうです。
当初はとても満足されていたのですが、3年目のある日突然、アメリカ先住民のメイクのようなミミズ腫れが生じました! 両頬に3本ずつ5ミリ幅で長さ3センチのその腫れは、痒みと熱感も強く、明らかに注入物によるアレルギー反応でした。当院で「ステロイド投与と肝機能保護治療」をして、5日ほどで小康しました。
その後も、年に2回ほど同じ症状が再燃するため、その都度治療を続けておられますが、完治させるには摘出しかありません。注入の場合はフィラー成分が周囲にしみ込んでいるため、周囲の皮膚組織ごと大きく切除するしか方法はありませんが、醜い瘢痕が残る危険性があります。持続性フィラー注入を選ばれる場合には、この点に充分ご注意ください。このアレルギーは本例のように数年後どころか、10年以上経過して出現することもあります。生涯アレルギーが起こらない保障など何処にもありません。
たるみ改善などの美容目的で体内に異物を埋入したり、注入したりすることは有用な方法なのですが、問題が生じたときに完全に摘出できるような形態(シリコンインプラントなど)か、期間限定で完全に分解されて残らないフィラーしか、本当の意味で安全とは言えないと僕自身は考えています。さもなければ、残留物によるトラブルも半永久的になるわけですから・・・
Posted by 管理者 at 17時38分 パーマリンク
2006年08月14日(月)
同じラベルとパッケージでも・・・[シリーズ6] [美容医療界]
メスを使わない美容医療で外すことができないものにヒアルロン酸やコラーゲンなどの「フィラー」がありますが、昨年秋の美容外科学会で驚くべき発表がありました!日本医科大学・形成外科学教室で、日本でも広く流通している海外メーカーのヒアルロン酸の成分分析を行なったところ、ラベルもパッケージも全く同じ製品であったにもかかわらず、中身はバラバラで不純物も多く検出されたそうです。
日本では厚生労働省が美容医療界で流通している「フィラー」などの注入物を野放しにしているため、世界中の怪しい(?)注入物が個人輸入という名の「業販目的輸入」されています。一体全体、輸入された製品の品質を誰が保障してくれるのでしょうか?
上記のヒアルロン酸にしても、多くの業者が「安全」「ヨーロッパの何々基準をパスしている」「日本で多くの有名施設が使用している」などと、当院にも連日売り込みに訪れます。僕自身は、米国FDA(食品医薬品局)の正式認可を受けていること(申請中では意味がありません)が最低限の条件だと考えています。
次回の美容医療界の危うい真実[シリーズ7]では、フィラーのトラブルについて紹介します。
Posted by 管理者 at 10時09分 パーマリンク
2006年08月11日(金)
「グラッパ」・・・知りませんでした。 [芦屋散策]
先日、製薬会社の常務が、当院アネックス「ヴィータスペリオーレ倶楽部」を見学に来られたので、その後、芦屋で会食しました。" 芦屋川沿いにある邸宅風レストランで、庭の広い邸宅をそのままレストランにしたような作りになっています。最終の予約時間だったので、広い店内がほとんど貸し切り状態。窓から見えるガーデンも綺麗にライトアップされていて、しっとりと落ち着いた調度品とあいまって、「ちょっと。良い感じかも!」と、うなずいてしまいました。
メンバーは「ほろ酔い加減大歓迎」の6名。料理はあらかじめ「旬の味覚を盛り込んだ特別メニュー」。主賓の常務は海外生活も長い「ワイン通」で、着席するなりお酒のリストを手に取り、ソムリエを呼んで「え〜っと、6名だから、ワインは6本で良いよね〜?」「どこそこの何年物・・・・・」「う〜ん、それは良いチョイスかも、君どう思う・・・?」という具合に、あっという間に全てのお酒をオーダーされました。皆、顔を見合わせて「えっ・・・6っ・6本ですか〜〜???」一つの料理にワイン1本を飲みきる計画です。皆、気合いが入ってきました。シャンパンから始まって、白・ロゼ・赤・・・とお酒を楽しむために、料理を食べている感じで、「次のプレートまでに、このロゼを飲み干さないと〜〜!!」と、グラスを置くことなく、大いに飲んで・・・慌てて食べました。
最後にデザートのワゴンがやって来ました。「コーヒーとスウィーツ8種盛り合わせで幸せなディナーを終えよう・・・」と深呼吸していると、主賓が「え〜〜っと、食後にも軽く1杯・・・」とソムリエに怪しげにヒソヒソ、ソムリエ氏が何やら厳めしい瓶を持って来て、「こちらのグラッパをどうぞ」・・・僕は「グ・・・グラッパ???「何?それ・・・」「白ワインの一種かな?」「デザートの前だから、口直しのジュースかな?グァバの親戚???」・・・と、知らないなら聞けば良いのに・・・デザートにはやる気持ちのまま、グラスに注がれた「グラッパ」を一気に「グイッ・・・」と飲み干しました。
「プハーッ」「ウワーッ」「ゲホゲホ」・・・「今日、一番強くて、濃いなんて・・・」。楽しみに眺めていたデザートは1種類だけにしました。
食後酒という習慣を知らなかった僕は「ほろ酔いコース」から一気に「二日酔コース」へ。何故かジェームスブラウンの「♪ゲロッパ♪」のフレーズが「♪グラッパ♪」に変わって耳から離れなくなりました。
ゲロッパ! - goo 映画
Posted by 管理者 at 10時45分 パーマリンク
2006年08月03日(木)
美容医療界の危うい真実[シリーズ5] [美容医療界]
溶ける糸・・・の真実!
僕が以前に勤めていた病院の女性スタッフの体験談です。彼女は自分が勤務している病院では恥ずかしかったのか・・・某有名クリニック(ドクター自らTV・雑誌によく出られています)で、『わきが手術』を受けました。
縫合してある糸は「すべて溶ける糸」なので抜糸の必要はないと言われていたそうですが、術後2ヶ月しても糸がそのままなので、僕のところに相談に来ました。2ヶ月間も経過していたため、すべての縫合個所はピアスのように糸の通り道が皮膚のトンネルになっていました・・・ワキにピアスの穴が20個以上開いている状態です!
もちろん手術したクリニックにも相談したそうですが、指示された覚えのない「ブラシで毎日ゴシゴシ擦るケア」を怠ったためだと、逆に叱られたそうです。そのまま、泣き寝入りです。
「溶ける糸」といっても実際には数ヶ月以上を要しますし、溶解反応自体は加水分解ですから体内では溶解が進みますが、体外に露出している糸が溶けてなくなることはありません。皆さんも「溶ける糸」の広告には充分ご注意ください。
では、次回の美容医療界の危うい真実[シリーズ6]をお楽しみに…
Posted by 管理者 at 10時14分 パーマリンク
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