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2008年12月31日(水)

2008年も、色々ありがとうございました [クリニックにて]

大晦日です。
今年も例年通りに、ベンクリニックの年末は
脂肪吸引
豊乳
フェイスリフト
などの、いわゆる「メスを使う手術」の連続で締めくくられました。


2008年は、自分も50歳をむかえた印象深い1年でした。

6年前、勤務医から、大学病院の医師に戻るか?
それとも、現行の医療体制から離れて、自分が納得できる医療を行うか?
の選択を迫られました。

現行の医療には「NG」でした。
何か違う・・・
医師は病気(正常から明らかに解離した状態)しか、扱わない、特殊な業種になっている・・・
ある意味で
「病気をつくり出している」

しかし、多くの人が望んでいるのは、
「健康感をともなう、豊かな人生」
ではないのか・・・

医療側にニーズの受け皿がないので、
多くの人が、根拠が乏しいものが、含まれる
「いわゆる代替医療」
に、ケアを求めてしまう・・・
まともなレベルの「代替医療」ならまだしも、
多くは、「商業主義」「市場原理主義」による、
「お粗末極まりない代物」にすぎません。

健康長寿は人生の目的にはなり得ない・・・
健康は人生を豊かにするための、一つの手段でしかない・・・
実際には健康でなくても、
「健康観を持って豊かな人生を送ること」
「素敵に年齢を重ねること」
こそが、求められていると考えました。

そこで、自分の信念から、出てきた
「新しい医療形態」
それが、
「MENA」です。

MENAの基本概念は、
人生を豊かにする要素を
「健」「癒」「美」
の三つ分けて、
それぞれに携わっている、専門家どうしが手を取り合って、
一つの輪「MENAリング」を作り、
一人のゲスト(受け手)を、取り囲んで、
受け手の人生を豊かにするのを目的に、
知恵と技術を統合して提供することです。

「健・癒・美」を受け手の人生に合わせて、最適に統合しながら提供する。

僕自身は、学生時代に右肩を亜脱臼して以来、1年に何度か、
酷い右肩関節の痛みとだるさ
に襲われます。
「肩ごと新品に交換してほしい・・・」
と、考えるほど辛いものです。

整形外科では、何時間も待って、数分の治療(ステロイド局注)
代替医療では
温熱療法
経絡の鍼灸とプラセンタツボ注射
アロマオイルによる様々のセラピー
整骨院での整体手技で関節矯正
自分では、
消炎鎮痛剤の外用・内服
そして、痛みのない肢位での固定・・・

それぞれに、それなりの効果はあります。

僕の「肩の痛み」病気ではありません。もちろん医学的に精査しても、疾患と呼べるほどの異常でもありません。
しかし、健康観は大きく損なわれ、辛さは、「仕事ができない」ほどです。

ところが、「異常が僅かでも、大きく健康観が損なわれた状態」に、本気で向き合ってくれる
「医療」
が、現行では存在しません。

上記の、全てのセラピーの担当者が
「自分の立場からの主張」
を、個別に与えてくれるだけです。
バラバラです・・・
すなわち、
医療を受ける「人」が中心ではなく
医療を与える側の「都合」で振り回されている気がして、落胆します。

<健>
抗加齢医療・補完代替医療・分子整合栄養医学に基づく生活指導
漢方・経絡等の東洋医療や整体を取り入れたケア
<癒>
エステティック・伝統セラピーを軸にした、過剰ストレスのケア
<美>
社会的存在としての身だしなみ、「人は見た目が90%」をケアする、
美容医療・スキンケア・ヘアメイク・育毛増毛・ネイルケア・・・etc

2009年の<ベンクリニックの目標>は、
美容医療
抗加齢医療
補完代替医療
の単純な集合体である
「MENAを目指すクリニック」
ではなく、

<健・癒・美>
が、一つの輪で統合された、
「真のMENAクリニック」
への進化です。

1年間のご愛顧に心から感謝申し上げます。
「ありがとうございました」

皆様、どうぞ良い新年をお迎えください。

Posted by 管理者 at 13時25分   パーマリンク

2008年12月08日(月)

第3回 日本美容抗加齢医学会:J3A <その1> [美容医療界]

学会報告です。

11月30日に横浜で開催された
J3A
という学会で勉強してきました。

プログラムにしたがって1セクションごとに5回に分けて、コメントをアップしていきます。
まず<その1>として、

パネル1:肝斑治療のための戦略
 6年前に開業した当時は、
肝斑には光・レーザーなどの治療は禁忌
だとされていました。理由は
肝斑の原因は分かっていない。
肝斑は刺激で濃くなってしまう。
など、ですが・・・
僕自身は、開業当時から、肝斑にも積極的にフォトRFやジェントルレーズによる光・レーザー治療を取り入れていました。
当時は、リスクがあることをして「バカな奴」と揶揄されたりしましたが、
痂皮をつくるほど強く照射しなければ、薄くできることが実感できていたので、積極的に照射していました。マイクロスコープで肝斑を観察していた経験と臨床医としての理論構成から、

僕の持論は

”肝斑は真皮にある特殊な血管(動静脈吻合)の不可逆的な異常が主因”

というものです。
すなわち、
@肝斑は左右対称に出る:
 血管走行や神経分泌などの解剖学的な要素が関与していると考えます。
A肝斑は刺激で濃くなりやすい:
 真皮内にある動静脈吻合の異常による、血流分布の変化を疑います。
B肝斑は慢性の刺激が主因をいわれています。
 慢性刺激のない状態でも、発症・増悪をすることもあります。僕は、急性・慢性を問わず、ある刺激が、不可逆性の血管の異常を引き起こしたことが、主因と考えています。
すなわち、毛細血管レベルではなく、
自律神経支配が存在する程度の太さを有する、
細動脈〜細静脈:動静脈吻合(シャント)
などの異常血管が、少しの刺激に対しても、血流量を変化させてしまい、透過性亢進やメラニンの過剰生成をしていると考えています。

したがって、初発時には、慢性の反復刺激は関係しておらず、
むしろ、生下時から存在している、顕在化していない解剖学的な病因
@血管異常A神経異常B胎生期の突起癒合時における異常
をベースにして
遺伝的に「易刺激性」が亢進している時期に、何らかの強い刺激が引き金になり、異常が顕在化して発症するのではないでしょうか。

以上から、僕は、炎症が起こることを押さえながら、真皮の異常血管に対するケアと、メラニン色素そのものを減らす治療を同時に行えば、肝斑は治療できると信じて、次の@からCの治療を続けてきました。

@トラネキサム酸で炎症が起きることを押さえる。
Aメラニンにはフォト・レーザーで積極的に治療する。肝斑に重なってあるシミには痂皮ができても構わない。
B異常血管を破壊できる機種を選択する。(フォトRF・ジェントル・Q−YAG)
C破壊した異常血管やメラニン産生細胞が正常組織に分化誘導されるように、イオン導入やメソカクテルなどで、代謝を正常化する栄養素を補充する。

です。

今回のパネルでは、ビックリするほどに、積極的な治療がディスカッションされていました。

「え〜〜、肝斑は刺激しないで、放っておくのが一番の治療!!と、あれほど、提唱していた、先生方が・・・・」
「手のひら返したみたいに・・・」
「フォト・レーザーを照射している、僕のことを、アホ!!と言っていたでしょう・・・」

僕の憤りはとまりません!!

点滴療法をはじめたときも、同じでしたが・・・

時代が、後で、追いついてくるのかな・・・
と、実感するパネルディスカッションでした。

<その2>へ続く・・・

Posted by 管理者 at 12時46分   パーマリンク

2008年11月10日(月)

<読了待ちの本>たち [クリニックにて]

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

読了待ちの本の山

僕の唯一の、趣味と云えるのは
「読書」
です。
図書館の中で暮らしたい・・・
それが、僕の夢です。

とはいえ、5年前に比べて、最近は読書のペースが遅くなりました・・・
本人は、読めるつもりで、ドンドン本を買ってしまいます。
昔に読んだ本でも、新しく、文庫版が出ると、ついつい買ってしまい、
鞄の中で「錘の役目」になってます・・・(涙)

写真は、診察室の机に、積み重ねられて、読了を待つ本の山です・・・
中には、4〜5回目の重読待ちの本もあります。
最上段の<モモ>なんか、何度目か覚えていませんが、大好きです・・・

読書のスタイルは、4〜5冊の本を、平行して読みます。
一つの章を終えると、他の本に換えて、それを繰り返して、読了します。

一つのことを考え始めると、のめり込む性格なので、この読書スタイルが合ってます。

画像(180x180)・拡大画像(240x240)

これは、お薦めです

最近、読了した本で、ピカイチに面白かったのは

「生物と無生物のあいだ」 
福岡伸一 講談社現代新書
です。
自然科学の研究者の、素顔と、発見、セレンディピティーに溢れる、実話です。
野口英世博士の研究の真実には、
「そう、だったんだ〜!」
と、驚かされました。
医学関係者なら「必読」の本だと思います。

さあ、今日も
「禁煙バトルロワイヤル」
「できそこないの男たち」
「さらば財務省!」
「週間司馬遼太郎V」
を、平行して、読んでます。

ああ、もちろん、診察も手術もきちんとしていますので、御心配なく・・・(汗)


Posted by 管理者 at 14時14分   パーマリンク

2008年10月25日(土)

形成外科学会基礎学術集会 [ビジネス散歩]

10月2日、3日に
東京の早稲田にある、<リーガロイヤルホテル東京>で、
第17回形成外科学会基礎学術集会が開催されました。

形成外科分野の中で、基礎研究に特化された学会です。
いわば、形成外科が「科学」の一分野として成立していることの証です。

僕自身、1998年に医学博士を授与いただいた研究に関して、
発表をした学会です。
開業して以来、抄録と論文でチェックしていましたが、
今年は、久しぶりに、参加してきました。

プログラムのパネルディスカッションの中に
「美容外科を支える基礎医学」
というセッションがありました。

美容外科は
「結果オーライ」
の集積で、「お金儲け」をする分野ではありません。
「基礎医学」に基づいて、自然科学者としての態度を持ちながら、
真摯にチェックし、安全に行われるべき分野です。

美容医療機器メーカーの詭弁
に、欺されないためには、医師が自分自身の、科学者としての態度を磨き続けなくてはいけません。
メーカーは自社に都合の良いデータのみを、提示してきます。
こちらが、
「それでは、これこれに関するデータはありますか?」
と質問すると、
「あると思いますので、調査して連絡いたします・・・」
と応えていただくものの、いつまで経っても
「都合の悪いデータ」は提示されません。
「確信犯」なのです。

例えば、商業展示ブースで、あるメーカーの営業マンいわく、
「イオン化されていない「高分子」が真皮まで導入されます・・・」
「論文もあります」・・・
実際に論文のグラフに示されたデータは
「表皮にも達しない浅層」での測定データでした。
こちらが単位をチェックしないと、わかりません。

外用で真皮に到達するなら、使用する溶剤は完全な医薬品でなければ、恐ろしくて使用できません。
「注射薬剤として認可されているもの」
「皮膚科の外用剤として認可されているもの」
が、最低基準になります。
医薬品は、有効成分とその他の防腐剤などの吸収に差を設けて、安全性を確保していますが、
細胞に電気的な振動を与えて、
無理矢理、間隔を空けさせる
のは、「皮膚の強姦」に等しい、気がします。
犯人が紳士ならいいのですが・・・

科学者の視点で考えると、至極、当然に思われることも、
ビジネスの世界では「ごまかし」の対象になっています。

今後も
形成外科基礎学術集会が、美容医療界の
「お目付役」「オンブズマン」
として、機能していくことを、切望してやみません。

Posted by 管理者 at 17時05分   パーマリンク

2008年09月13日(土)

50歳の誕生日に思うこと・・・ [クリニックにて]

画像(135x180)・拡大画像(240x320)

至福のシガー

9月10日で、
50歳になりました。

誕生日には、かねてから、楽しみに取り置いていた
ダンヒルのチャーチルのシガーを
シャンパンと一緒に、楽しみました。

シガーの煙を眺めながら、
いよいよ人生の後半戦が始まるな・・・
と、感じました。

哲学、宗教、思想、易学などの本が好きで、1000冊以上読んだと思います。
自宅には5メートルの高さの書棚が、幅3メートルで3面あります。
2000冊以上の蔵書があると思いますが、
大好きな、書籍で埋まっている状態を、眺める時は、至福の時間です。

最近では、
「成功理論」と「量子学」の関係に興味をもち、
「量子学」関係の本を読みました・・・

知らない間は・・・「神秘」
知ってしまえば・・・「知識」

5カ月前からは、心理学に対する興味が、モリモリ湧いてきて、
毎週1時間、20回以上
臨床心理学の専門家にカウンセリングしていただいています。
自分の「深層心理」を分析していただくことは、本当に有意義です。

50歳になって思うこと・・・
それは、過去、書籍で学んだことを、いかに自分の人生で形にするか・・・

@心の至福にしたがって、正しく、強く、イメージを持つこと。
Aイメージを、できるだけ正確に、素直に言葉にしてみること。
B言葉と整合性のとれた行動をすること。

特にAが、苦手です・・・
力んで、奢って、昂ぶって、拗ねて・・・素直な「言葉」が出てきません。

ついつい、イメージと裏腹の言葉を発することも、しばしばです。

僕自身、30歳代には、真言密教の僧侶と一緒に
四国霊場88個所も廻りました。
加持祈祷鵜の鍛錬をしたこともあります。
御嶽山で滝行などをしたこともありました。

沢山の経文や真言を覚えました。
皆、力強い、正しい「言葉」の集合体です。

50歳の1年間は
「言霊」
を、見つめ直し
上記の@AB
を、実践しようと思います。

Posted by 管理者 at 19時26分   パーマリンク

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