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2011年05月19日(木)

原子力事故の実態(10): 永田町異聞メルマガ [クリニックにて]

永田町異聞メルマガ版
     
      「国家権力&メディア一刀両断」 2011.05.19号

                         
                  新 恭(あらた きょう)



  原発耐震指針が認める「残余のリスク」とは何か    


計算方法はいざ知らず、地球が誕生して46億年になるという。それから8億
年ほどして現れたバクテリアが、生命の起源らしい。

アフリカに最初の人類が出現したのが、さかのぼること500万年とも700
万年ともいわれるから、ここまではもう観念的に割り切って理解するしか方法
はない。

それからさらに無限とも思える時間が過ぎて、氷河期が終わったあとの1万〜
1万3000年前にようやく農耕がはじまり、そのころから文字や金属製の道具が
発明されるようになった。二、三の文献にあたってみると、どうやらそんなと
ころが今の定説のようだ。

地球では、地殻が動き、マグマが噴き上がり、水や大気が様々な変化をたどっ
て、数限りない生物の誕生、進化、滅亡のドラマが繰り広げられたのだろう。

人間は地球と太陽の恵みを受けて文明を生み出してきたが、地球の資源を貪欲
に探し求め、採掘して本格的にエネルギーや商品の原材料として使うようにな
ったのは、産業革命以後といえよう。46億年という時間の流れからいえばつ
い最近のことだ。

近代化は人間と地球の緊張関係をつくる。地球の資源を枯渇まぎわまで掘りつ
くし、核分裂という魔法のエネルギーをあみ出した人間は、原子爆弾をつくり、
世界のあちこちに放射能を蓄積する原子力発電所を設置した。

福島第一原発の惨禍は、天変地異といえど地球にしてみれば活動の一つにすぎ
ないことが、近代社会にとって時間、空間をこえた無限リスクにつながるのだ
という戦慄すべき事実を、人類に突きつけた。

ドイツの社会学者、ウルリッヒ・ベック氏は朝日新聞のインタビュー記事で、
福島の原発事故を次のように語った。

「人間自身が作りだし、その被害の広がりに社会的、地理的、時間的に限界が
ない大災害です。(中略)原子力だけではありません。気候変動やグローバル
化した金融市場、テロリズムなどほかの多くの問題も同じような性格を持つ。
福島の事故は近代社会が抱える象徴的な事例なのです」

「私たちが使っている多くの制度が、元来はもっと小さな問題の解決のために
設計されていて、大規模災害を想定していないのです。私たちは、着陸するた
めの専用滑走路ができていない飛行機に乗せられ、離陸してしまったようなも
のです」

ベック氏が言うように、少なくとも日本の原子力政策においては、大規模災害
を想定していない、いや想定できても無視しているとしか思えない事実がいく
つもある。

たとえば2006年9月19日、原子力安全委員会が決定した「発電用原子炉施設に
関する耐震設計審査指針」を見てみよう。

阪神大震災から11年目にして、ようやく原子炉の耐震設計を審査するための指
針を改定したのが、これである。

この文書を開くと、基本方針の解説で、次のような記述に出くわす。

「耐震設計においては、『極めてまれではあるが発生する可能性があり、施設
に大きな影響を与えると想定できる地震動』を適切に策定し、それを前提とし
た耐震設計を行うことにより、周辺の公衆に対し、著しい放射線被ばくのリス
クを与えないようにすることを基本とすべきである」

さらっと読めば何の問題もない文章に思える。ところが、書き手の本音はつね
に「細部」に宿る。

まずもって、「著しい放射線被ばくのリスクを与えないよう」という文言にひ
っかかりを感じる。著しくなければ被曝していいのか、ということになる。こ
のあとの記述はもっと問題だ。

「地震学的見地からは、上記のように策定された地震動を上回る強さの地震動
が生起する可能性は否定できない。このことは、耐震設計用の地震動の策定に
おいて、『残余のリスク』が存在することを意味する」

「残余のリスク」とは何か。その説明の部分に、驚くべきことが書かれている。

「策定された地震動を上回る地震動の影響が施設に及ぶことにより、施設に重
大な損傷事象が発生すること、施設から大量の放射性物質が放散される事象が
発生すること、あるいはそれらの結果として周辺公衆に対して放射線被ばくに
よる災害を及ぼすことのリスク」

そして、最後にこう締めくくられている。「この『残余のリスク』の存在を十
分認識しつつ、それを合理的に実行可能な限り小さくするための努力が払われ
るべきである」

以上の文面は何を意味しているのであろうか。

地震動を想定し耐震設計をしても、その想定を上回る大地震が起こる可能性が
ある。そのため、原発の施設が破壊され、大量の放射線が放出し、一般市民が
被曝するというリスクが残る。それを「実行可能な限り」という、範囲、条件
付きで、小さくするよう努力が払われるべきだとしているのである。

すると、放射能大量流出事故が起き市民が被曝することもあるという、ある種
の許容的な前提のもとに、原子炉の耐震設計の審査指針がつくられたというこ
とになりはしまいか。

それを認めたうえで、被曝のリスクを小さくするための「実行可能な」努力を
せよというのだ。

「実行可能」というのは、電力会社が経営という制約の中で、「できる範囲
の」という意味であろう。人命より電力会社のコスト面その他に配慮し、適当
なところでお茶を濁しているように感じられてならない。

本来なら、どのように大規模な地震、津波にも耐えられる先進的かつ細心の設
計をし、一般市民を被曝させる危険をゼロにするよう求めるべきであろう。

リスクを完璧になくすることはしょせん無理であるにしても、指針に「リスク
が残る」ことを容認する姿勢を打ち出しているというのでは、「本気度」がど
こまであるのか首をかしげてしまう。

もし、耐震基準を厳しくしておけば、今回の事故のように全電源喪失に至らな
いよう、バックアップ設備を十分すぎるほどに充実させておくことも可能であ
ったはずだ。

多重防護の思想が、燃料棒被覆管、圧力容器、格納容器といった原子炉建屋内
の放射能封じ込めだけにとらわれ、冷却用の電源をどんな事態になろうと確保
するという強い意志が原子力安全委員会の議論に欠落していたのではないだろ
うか。

ベック氏の言う「着陸するための専用滑走路ができていない飛行機に乗せられ、
離陸してしまった」ような危うさが、原発施設の設計思想に、もともと内在し
ていたと思わざるを得ない。

東電は事故発生から約2か月を経た最近になって、中央制御室の計器解析や聞
き取りが進んだからという理由で、事実を小出しに公表し始めた。

これまで炉心損傷としか表現してこなかった1号機のメルトダウン(炉心溶
融)を初めて認め、2、3号機についてもその可能性が高いという。

東電によると、1号機のメルトダウンは次のような経過で引き起こされた。

3月11日午後2時46分に東日本大震災が発生、午後3時半ごろ津波に襲われ、3時
42分、全電源を喪失した。

午後4時36分に冷却システムによる注水ができなくなり。午後7時半には燃料棒
が完全に水面上に露出。このため炉内の温度は急上昇し午後9時に2800度に達
した。

燃料棒は、温度が900度前後になるとウランの燃料ペレットをおさめる被覆管
が溶けて水素を発生、2800度にいたるとペレットそのものが溶けはじめる。地
震発生当日の午後9時には溶融が始まっていたということだ。

その後、12日の未明、炉心溶融による熱で、格納容器内に放射能を含む水蒸気
が充満して圧力が異常に上昇し、放射能閉じ込めの最後の砦である格納容器が
破壊される恐れが出てきた。

仮にそうなると、40年間にもわたる運転で炉内にたまっている膨大な量の放射
性物質が大気中に放出されてしまうことになる。

格納容器の圧力を減らすために放射能汚染を承知で水蒸気を外部へ出す「ベン
ト」という作業を12日午前10時17分に開始し、圧力は下がり始めたが、12日午
後3時36分、水素爆発が起こり。建屋の上部が吹き飛んだ。

溶融したウラン燃料は12日午前6時50分ごろに圧力容器の底に崩れ落ちた。さ
らに燃料の溶けた塊りはその熱により、分厚い圧力容器のうちでもっとも脆弱
な部分である底を突き抜け、格納容器の底にたまっていった。

この崩壊熱を冷やすため、ひたすら水を原子炉に入れ続け、その結果、処理で
きない膨大な量の放射能汚染水が施設内にたまり、一部が海に流れ出している
のは周知のとおりだ。

非常用ディーゼル発電機を含む全電源の喪失で制御不能になったことが招いた
「負の連鎖」だった。

電気をつくる施設で電気を失い、しかもその復旧さえできなかったのは、なん
とも皮肉なことだが、つまるところ「残余のリスク」を容認する原子力行政の
生ぬるさが、手抜かりを引き起こしたと考えて差し支えないだろう。

その背後に、原子力発電所を建設すること自体にからむ利益共同体の巨大な力
が働いていることは間違いない。

原発建設にかかわる電力会社、原子炉メーカー、ゼネコン、それらに融資する
銀行は、営業域内の国民という固定した顧客を与えられ、独占的安定ビジネス
でがっぽり儲ける仕組みになっている。

そして、それらの企業は豊富な資金でマスコミに広告料を提供し、学者に研究
開発費を拠出して、利益共同体にとって都合の良い情報を世間に拡散させる。

経産省などの官僚には「天下り」、原発推進派の政治家には「政治資金」とい
う、抜かりない利益供与の黙契のもと、有利な原子力行政を推進してもらうよ
う仕向けてきた。

それだけに、「残余のリスク」が現実化したいま、そうした「原子力村」の
面々は、いまだに悪夢を見ている思いに違いない。

東電の清水社長も、原子力安全委員会の班目委員長も、自分の代は平穏に過ぎ
るだろうと、タカをくくっていたことだろう。

それにしても、3月12〜16日の間に福島第一原発で起こっていたことについて、
いかに情報が少なくとも、水素爆発や放射能汚染の状況を分析すれば、専門家
ならチェルノブイリに匹敵する、いやそれ以上の深刻な事態であることを把握
できていたに違いない。

にもかかわらず、政府、東電はどうして楽観的な見通しを語り、テレビに引っ
張り出された、東大教授など立派な肩書きの学者たちは、その安心情報に合わ
せてウソをつき続けたのか。

そのために、避難が遅れた多くの人々が放射能にさらされた。大人の何倍も放
射能の悪影響を受けやすい子供たちのことを思うと胸が痛む。

しかし、いまだに原子力村の御一行は、みんなで乗り合わせた大切な飛行機だ
から、着陸する滑走路が見えなくとも、「安全・安心」と呪文のように唱えて
いたいようである。

彼らにかかれば、人命を脅かす歴史上最悪の原発事故さえもが「より地震に強
い原子力発電所づくりの良き教訓、すばらしい参考材料」になってしまうのだ。

嘘か本当か、放射能医学の専門家が「福島には研究のサンプルとなる事例がた
くさんできる」と話していたという。

学問が、学術研究のためにだけ存在するのならむなしいことだ。あくまで人々
がより充実した生をまっとうするために寄与するのが学問本来の意義であろ
う。
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Posted by 管理者 at 10時41分   パーマリンク

2011年05月17日(火)

原子力事故の実態(9):チャイナシンドローム [クリニックにて]

画像(180x180)・拡大画像(300x300)

アマゾンで1086円です

チャイナシンドロームという映画があります。
1978年ですから33年前の映画です。
公開の12日後に「スリーマイル島原発事故」が起きた、奇跡のタイミングの映画でした。
早速。取り寄せて鑑賞しました。
「驚愕しました!」
「映画が現実になっている!」
「利潤のためには隠蔽、隠蔽、詭弁」

たかが一企業の利益を守るために、危険を無視して原発を推進した結果の悲劇の話です。
わが国の原発推進とも、気持ちが悪いくらい一致しています。
嘘をつく東電と無能・無策な政府、
また原発を輸出・輸入している企業、何よりも、学者の設計は正しくても、現場で設計図通りに造られていることはない事実です。
設計図は、たかが机上の計算です。
部品には不良品もあり、組み立てや溶接も100%の仕事はあり得ません。
物作りに100%はあり得ない常識すら、忘れてしまったら、わが国は滅びます。

今回の事故後も、計器の故障を言い訳に、東電はデタラメの有利な結果ありきの報告を繰り返しています。
東電の計測機器は、東電の都合の良いように
#必要な計器はいつまで経っても足りない
#都合の良いデータは計測が正しいと予測する
#都合の合わないデータは計測ミス、もしくは計器の故障という

結果、最初から冷却水はだだ漏れで、とっくに炉心が露出しているのに発表せず、数日後にはメルトダウンしているのに、2ヶ月間隠蔽して、にっちもさっちもいかなくなってから、メルトダウンを渋々発表するも、まだ、
<可能性>の域と、お抱え学者は東電をサポートしています。
茶番劇も通り越しています。

密室事故の隠蔽体質・・・救いようのない日本のリーダーの姿です。

<チャイナシンドローム:あらすじ>:wikipediaより
キンバリー・ウェルズ/Kimberly Wellsはアメリカの地方テレビ局の女性リポーター。普段は日常のたわいもないニュースを担当していた彼女だったが、ある日ステップアップのチャンスが巡ってきた。原子力発電所のドキュメンタリーの取材を担当することになったのだ。
彼女はカメラマンのリチャード・アダムス/Richard Adamsとともに原子力発電所の取材に赴く。取材でコントロールルームを見学している最中に、原子力発電所は何らかのトラブルを起こしたようだった。そこは撮影禁止の場所だったにもかかわらず、アダムスは密かにそのときのコントロールルームの様子を撮影していた。
何が起きたのか分からなかった二人は、そのフィルムを後日原子力の専門家に見せると、専門家からはこれは重大な事故が起きる寸前ではなかったかと伝えられる。しかし発電所からはトラブルに関する何の発表もなかった。
ジャック・ゴデル/Jack Godellはそのトラブルの当事者だった。彼が計器の表示間違いに気づき、危ういところで大惨事を免れていたのだった。
取材後、発電所の近くにあるバーでウェルズとゴデルは知り合う。原子力発電に疑問を投げかけるウェルズに対し、原子力発電の必要性を訴えるゴデル。しかしゴデルも先日のトラブル後の対応から、わき上がる疑問を押さえることが出来なくなっていった。
ゴデルは過去の安全審査資料を調べ直してみることにした。すると、先日のトラブルに繋がる重大な証拠を発見してしまった。今すぐ発電所を止めないと大変なことになる。そこでゴデルはとんでもない大胆な行動に出ることにした。ウェルズを 呼び出し、このことをマスコミで広く知らせようとしたが……。
原発の取材中に事故に遭遇した女性リポーター。ずさんな管理に気づいた原発管理者。利益優先の経営者。真実を伝えようとするリポーターのジャーナリスト魂と、安全な原子炉運転を願い命を懸ける技師の技術者魂。明日にもおこりうる原発事故を描いたサスペンスアクション映画。

<チャイナシンドローム>:YOU−TUBE

アマゾンで1086円で購入できます。
安全神話の陳腐さを知るのに、絶対お勧めです。

Posted by 管理者 at 11時50分   パーマリンク

2011年05月13日(金)

原子力事故の実態(8):それでも原発? [クリニックにて]

1号機が「メルトダウン」している事実が、やっと・・・本当にやっと東電から発表されました。

この事故は、3月11日の時点から、関係者は全員「メルトダウン」すると分かっていたはずです。心ある学者や専門家は、火を見るより明らかなものとして認知していたと思います。
事故後早々に各国の外交関係者が関東から避難したのは、米国を初め、原発の専門家が自由にコメントできる国からの、科学的な予測から
「1号機2号機3号機のメルトダウンは必至」
という真実の情報を知らされたからに他なりません。
真実を知らされていないのは、日本の国民だけです。
大前研一が東電の隠蔽体質を指摘

現場の人間は、事故当日の津波よりも前に圧力容器につながる配管から白煙が上がり、冷却水が漏れだしたことを知っています。
圧力容器と格納容器の破損を認知していたはずです。
その後に津波で冷却機能が失われました。
地震だけで、とっくに圧力容器周辺の配管と格納容器の圧力調整チャンバーは壊れていたのです。
さて、ここから隠蔽の始まりです。
想定外の原因に責任転嫁しなくてはいけません。
そうです、地震ではなく、津波にやられたと・・・

東電も政府も原発政策を今後も進めるという共通利害があるので、想定されていた地震で原発が壊れるようなら、国民に原発が危険極まりないものとバレてしまいます。
想定内の地震ではなく、想定外の津波によって壊れたことにしようと、国民を欺す方向性を地震翌日には決め込んでいます。
過去にも、国民には発表しない「漏れ出し事故」の隠蔽に馴れきっているので、
「対応可能な程度の損傷と、国民に思い込ませよう」
「最終的に何とか閉じこめに成功したら、やっぱり問題ないと発表しよう」
「漏れ出した放射性物質は隠蔽して、密かに冷却機能を修復しよう」
という、「希望的憶測で自らを甘やかし慣れた」東電の態度だったのではないでしょうか。
挙げ句の果てに、一企業の判断で世界に不義理をしてしまいました。
海に破棄するなら、自国の土地に破棄すべき汚物です。
汚染水1万390トンを海に放出 周辺諸国の反発(大前研一ライブ)

自分たちに都合が良いデータのみを発表し、都合が悪いものは、後日になって、計測の誤りと訂正を繰り返す・・・
これから、他の原子炉のメルトダウンも、いかにも、やっと判明したように発表されることでしょう・・・とっくにメルトダウンしているのにです。
冷却水に完全に埋没していない現況では、燃料棒は必ず溶融します。
小学生でも分かります。
@漏れるはずのない高度汚染水が漏れている→圧力容器が壊れている
A格納容器に入れた水と、溜まった水の量が合わない→格納容器も壊れている
B全ての原子炉で同じ症状→一機を修復できないなら、どれも修復できない
C一番症状の軽い1号機でメルトダウン→全てがメルトダウン
D3号機の圧力容器の温度が通常運転中よりも上がっている→3号機もすでに相当部分がメルトダウンしている
E圧力容器に注水した水がなくなっている→底に穴が開いている
F水がだだ漏れの状態の器を「水棺」?→汚染水を拡げるだけ

現時点までに、注水した水は、ほぼ全てが海と土壌に漏れ出しています。
9万トン以上です・・・
実際に漏れずに溜まったのは10%にも達していません。
綺麗な水を注ぎ込んで、直接放射性物質と接触した高度な汚染水が
全て漏れている状態です。
それでも注水を止めるわけにいかない現状です・・・

数々の放射線の測定値が発表されていますが、政府にとって都合の良ものばかりが選択されていることでしょう。
一般の心ある学者が総力を挙げて、現地で、測定作業を行えば、
直接燃料と接触した、大量の水が漏れだしている実態が明白になるはずですが、これらの測定が行われることはないと思います。

東電も学者も、政治家も官僚も、
原子力政策を維持するために、平気で、本当に平気で、詭弁を確信した上で、
良くも、あれだけの嘘デタラメをコメントし続けられるものだと感心します。

メルトダウンで水蒸気爆発が起きなかったのは、ある意味奇跡だと思います。
しかし、格納容器にも水が溜まらず、注水したほとんどが漏れ出ている事実から考えて、現状よりも水の漏れが大きくなり、冷却バランスが落ちる事態になると、メルトダウンした核燃料が、格納容器の底も溶破して、直接土壌に落ちることが、十分に想定されます。
最後の砦である格納容器に、溶出した燃料を冷やすだけの水を溜める機能が維持できるという、希望的観測にすがるしかないのが現状だと思います。
大前研一 最悪のシナリオメルトダウンしたらどうなる?

圧力容器も格納容器も破損して
メルトダウンして格納容器に融けた燃料が溜まり、さらに格納容器から汚染水が漏れだしている限り、現場の修復は汚染が酷すぎて事実上無理です。漏れを止める工事ができないのですから、
「水棺」は諦めて、格納容器の底に漏れ出した燃料が暴走しない最低必要限度の注水だけを維持しながら、放射性物質の物理的な「閉じこめ」に全力を傾けなければイケナイのではないでしょうか?
東電の作戦は「後手」にまわりすぎです。

福島にはチェルノブイリの3倍以上の燃料があります。
既に、チェルノブイリの事故を超えています・・・
現時点で死者もいないのに、大袈裟に騒ぐな!
と、お抱え学者は言います。

福島ではウランだけではなく、プルサーマ計画の実施でプルトニウムも燃料に含まれています。3号機にはプルトニウムがあります。
メルトダウンしている以上、これが漏れ出ることは必至です。
プルトニウムの汚染は20000年以上続くと言われています。
現場で作業されている方達の健康に支障が出てくるのは明らかです。
今後の汚染による被害は人類が経験したことのないレベルで、世界中に拡がると思います。ウランとは問題にならないくらい毒性が高いプルトニウムの拡散だけは絶対に避けなければいけません。

それでも、東電と政府は隠すでしょう。
死者が出ても、別の死因を当てつけるでしょう・・・
今後も、高濃度汚染水が海に浸みだしているのを黙殺するでしょう。
心ある学者の現地での直接測定は、今後も行われることはありません。
政府と東電に不都合な人物を排除する「危険区域」指定がすでに行われたのですから・・・現場の真実は今後も絶対に分からないと思います。

地震国のイタリアは原発からの撤退を決めました。
ドイツも決めました。
フランスが原発先進国だとしても、地震国ではありません。

地震国の日本で、数十年以内にまだまだ大きな地震が予想されている日本で、
それでも原発を続けるのでしょうか?
津波など来なくても、地震だけで原発は破壊された事実を無視して・・・

新エネルギーを、最大効率で引き出す技術を、是非、日本のエンジニアが開発してくれることを切望します。

【福島原発】5/10/火★3号機・原子炉圧力容器の温度が上昇 1/2
【福島原発】5/10/火★3号機・原子炉圧力容器の温度が上昇 2/2
【福島原発】5/12/木★メルトダウン(meltdown) しています・1号機 1/2
【福島原発】5/12/木★メルトダウン(meltdown) しています・1号機 2/2


Posted by 管理者 at 11時25分   パーマリンク

2011年05月10日(火)

久しぶりのドリーバーデン出動 [ファミリーのページ]

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大型車輌と同じ大きさ(敦賀湾を臨む)

石川県の兄のところに、両親の法事で出かけてきました。
家族6人全員で寛いで移動するのに、
久しぶりのドリーバーデン出動です。

芦屋から内灘まで約320kmの距離で、通常の乗用車なら3〜4時間で移動できます。
ところがドリーバーデンの場合は、自ずから移動が「旅」になります。
ゆっくり走り、サービスエリアごとに休憩して、オヤツを食べながら車内でワイワイ騒ぎながらになります。
子供達は、車内の3ヶ所のベッドを歩き回りながら、好き放題に遊んでました。
結局、渋滞もなくスイスイ走れるのにも関わらず、通常の2倍で7時間以上の移動を往復ともに楽しみました。
ドリーバーデン23ftは「1LDK+ロフト付き」のマンションと同じです。

<ドリーバーデン23ftに興味がある方は、中古市場で探せますよ>

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運転席の上方のベッドが意外と快適

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後方のベッドでは、いつも誰かが寝てました

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ラウンジでは20インチTVを観ながらオヤツのし放題

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ダブルシンク、コンロ、電子レンジ、洗面台もあります

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ウオシュレットとシャワー・バスタブ付き

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3ドアの冷凍冷蔵庫は電気・ガスの両用


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心のこもった祭礼は美しいです

兄の家族は夫婦と2女、我が家は夫婦と3男1女
男性組の祭礼が終わると、5人の女性組の祭礼です。

神様でも仏様でもなく、先祖を敬うこの祭礼は、何としても次世代の子供達にも引き継がなければなりません。

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伝統の継承は大切だと思います。

祭礼が終わると、お供えしたご馳走を皆で分けて、大いに歓談しながらの食事です。
伝統の供物に両親の好物も加えてもらっています。

この法事を支えてくれる、兄嫁と家内には、
本当に心から感謝、感謝です。
親族が、集まることができる数少ない機会です。
従兄弟、従姉妹同士が一日遊びながら、遺伝子と血縁を再確認・・・

心の豊かさとは
「絆」を実感できることだと思いました。

Posted by 管理者 at 15時55分   パーマリンク

2011年04月22日(金)

原子力事故の実態(7):永田町異聞メルマガ [クリニックにて]

       
永田町異聞メルマガ版
     
      「国家権力&メディア一刀両断」 2011.04.21号

                         
                  新 恭(あらた きょう)



        隠された原子力利権の構造 


悪評高かった計画停電の騒動は一段落したものの、東京電力は、空調などで需
要ピークとなる夏の電力が足りないと、さかんに不安の太鼓を打ち鳴らす。

あるジャーナリストがこんなことを言っていた。

「原発が無くなったら大変なことになる、という脅しに決まっているよ」。

首謀者は、東電と政府、とりわけ経産省ということになろうか。とにかく、原
発推進路線は変えたくないのだろう。

たしかに、東電の発電施設の数、規模ならびに、その設備の稼働率の低さを考
えると、休止している火力発電所を動かせば電力くらい、いくらでもつくれる
だろうという気がする。

稼働率が低いということは、発電を休まなくては電力が余って困ることを意味
する。東電のみならず、この国の電力会社はそもそも供給能力が過剰状態であ
るはずなのだ。

資源エネルギー庁の昨年3月の数字によると、東京電力の「発電設備利用率」
は水力89.5%、原子力58.0%で、火力となると48.6%に過ぎない。運転を休止
している火力発電所がいかに多いかということだ。

関西電力などは原子力60.6に対し、火力は34.4%しか動いていない。

それだけ、日本のエネルギー政策が石油、石炭、LNGを使う火力発電から、
原子力発電重視にシフトし、その分、遊休火力発電所が増えていく構造になっ
ているといえる。

09年度の発電構成をみると、原子力がすでに29.2%にもおよんでいる。あと
はLNG29.4、石炭24.7、水力8.1、石油7.6%だ。

東電は4月15日、以下のような発表をした。

「今夏の供給力が、最大電力5,500万kWを大幅に下回る4,650万kW程度とお知
らせしておりました。その後、火力発電所を中心とした震災による停止からの
復旧、長期計画停止火力の運転再開および定期点検からの復帰など、供給力確
保の対策に全力で取り組んでまいりましたが、新たにガスタービンの設置など
により、さらなる供給力の増加に見通しがついたことから、現時点での今夏の
供給力を、5,070万kW〜5,200万kW程度へと上方修正いたします」

今後もさらなる上方修正はあるだろう。運転再開できる火力発電所がまだある
はずだ。ほぼ5,500万kWの確保に見通しがついたということではないだろうか。

むしろはじめから、その見込みがあったと考えたほうがいい。

つまり、福島第一原発がなくても、電力は賄えるということだ。しかしそれを
正直に言うと、原発の存在価値が低下する。計画停電、首都圏大停電の脅しは、
経産省と東電の出来レースといえる。

国策とはいえ東電をはじめとする電力会社は、なぜ原発という、危険でしかも
地元住民との交渉に苦労する施設をつくってきたのだろうか。

企業は、利潤の大きい事業を選ぶ。火力、水力よりうまみがあるから原子力を
選ぶのである。

自民党政権時代に政府が仕組んだ、あるいは容認した、二つの「利権」につい
て語らねばならない。

電力会社は、原発という厄介な発電方式の推進の見返りに、発送電一体による
地域独占と、総括原価方式という、おいしい電気料金制度を、政府に与えられ
ている。

だからこそ、高収益体質を維持し、社員の高待遇と定年以降も続く身分保障を
実現できている。そして、蜜月関係にある経産省から天下り官僚を受け入れて
いるのである。

今年1月に資源エネルギー庁長官から東電の顧問に天下った石田徹はいずれ副
社長の座が約束されていたが、原発事故をきっかけに天下りへの風当たりが強
まったため4月末で退任することになった。

さてそれでは、東電などの電力会社が原子力発電所をつくることでどのように
儲かる仕組みになっているかを説明したい。

まず、総括原価方式とはなんだろうか。これは、電力会社を経営するのに必要
なすべての費用や設備、資本をレートベースとし、それに一定の報酬(利益)
率分をかけて上乗せした金額が販売収入となるよう、電気料金を決めるやりか
たで、どんな無能な経営者であろうと絶対に赤字にならないシステムだ。

レートベースのなかに「核燃料所有額」が含まれていることに注意が必要だ。

同じ発電所をつくるのなら、所有している燃料の額までも電気料金の算定ベー
スに組み入れてくれるのだから、原発を選んだほうが火力より数段、メリット
が大きい。

もう一つの大きな利権である「発送電一体」は、文字通り、あるテリトリーに
おける発電と送電を一つの会社が一手に引き受けることであり、これが電力会
社の地域独占につながり、新規参入を阻むもととなっている。

たとえば東電はその営業区域内に自らの送電網をめぐらせているが、その送電
網を使って他の電力会社との間で電気のやりとりができるような十分な容量を
確保する仕組みにしていない。

このため、今回のような震災で電力不足が起きた時に、たとえば関西電力や中
部電力から電気を東電区域内にまわしてもらうようなことができないのだ。

少なくとも送電網は、国など公的機関が全国にはりめぐらせ、どの会社の発電
所からも電気が通せるよう、発電と送電を分離しておくべきである。そうすれ
ば、各家庭は電力会社を選ぶことができ、電力会社間にも競争原理が働いて、
電気料金が安く抑えられるだろう。

本来の公益を考えるなら、国はそうあるべきだったが、それをしなかった。な
ぜだろうか。原爆を二度も落とされ、核の悲惨さを体験した唯一の国、しかも
大地震が同じ地域で繰り返し起きてきた歴史をもつこの国で、なぜ政治は、行
政は、原子力という選択をしたのだろうか。

ここからは、どうしても中曽根康弘という個性的な政治家に言及せねばならな
い。

中曽根は内務省を依願退職し1947年、衆議院議員に初当選。1953年、かつての
マッカーサー司令部の対敵諜報部隊員、コールトンに勧められて、ハーバード
大学の夏期セミナーに留学したさい、政治学部の助教授だったキッシンジャー
と出会った。

米国のアイゼンハワー大統領が、それまで軍事機密だった原子力の平和利用推
進について声明を出したのも、同じ1953年の12月だ。

そして中曽根は翌54年、一議員でありながら原子力研究のための2億6000万円
の予算案を国会に上程し、成立させた。2か月におよぶ夏期セミナー期間中に、
原子力について何らかの刺激を受けたのだろう。

当時、被爆国日本では、学者の間で原子力研究をすべきかどうか賛否がぶつか
り、堂々巡りとなっていた。むりやり研究予算をつけることでそんな空気を打
ち破りたい意図が中曽根にあったといわれる。

中曽根は正力松太郎に原発のメリット、将来性を吹き込み、すっかりその気に
させてしまった。正力は初代原子力委員会委員長におさまって、英国製原子炉
(1966年運転開始)の導入に動き始めた。

原子力発電所の実用化については英国が先行し、すぐに米国があとを追う形と
なり、やがてGEやウエスティングハウスが開発した「軽水炉」により米国の
独壇場となる。

「原子力村」という言葉がマスコミでよく使われる。経産省資源エネルギー庁、
原子力安全委員会、原子力安全・保安院、東電など電力会社、東芝、日立など
の原発メーカー、東大原子力工学科を中心とする原子力学界…そうした共同体
をさすのだろう。

官僚、電力会社、原子炉メーカー、学者らの利権ネットワークといえる。

「原子力村」のそもそもの出発点に向けて遡ると、米国シカゴの近郊、アルゴ
ンヌという地名に行き当たる。

アルゴンヌには米国の原子力研究所があり、その近くに世界の若手エンジニア
を原子力技術者に育てる研修所が併設されていた。

そこに、通産省工業技術院の官僚や、東大の研究者、誕生したばかりの東電原
子力発電課の社員、東芝の技術者らが参集し、技術を学んだ。

彼らは、原発の黎明期における日本で、「バスに乗り遅れるな」と、「プロジ
ェクトX」のような協力関係をつくり、日本の原発を推進する原動力となった。

この流れをくむ産官学連合体が、マスコミへの広告出稿、情報提供、レクチ
ャーなどを通じて原発安全神話を国民に吹聴し、信じ込ませた。

今回の福島第一原発の状況についても、専門家としてテレビに登場する原子力
学会のメンバーが、希望的観測をまるで事実のよう思い描き、楽観的な説明を
繰り返してきたため、多くの国民が実態を把握できないまま戸惑っている。

原発神話といえば、原子力のほうが火力より安いというウソがある。これも
彼ら「原子力村」の住民がPRによって信じ込ませたものである。

その根拠は、昨年9月、原子力委員会に提出された大島堅一立命館大教授の資
料からみてとれる。

それによると、1キロワットアワーについての発電費用(単価)は原子力8.64
円、火力9.80円、水力7.08円で、これだけ見ると、原子力は水力よりやや高く、
火力より1円以上安いかのごとく見えるが、ここには巧妙なカラクリがある。

実はこの「水力」の中には、われわれがイメージする一般的な水力発電とは別
に「揚水発電」が含まれている。

揚水発電は主に、原子力発電の夜間余剰電力を使う調整用で、夜間に水を汲み
上げ、需要の多い時間帯に落として発電する。つまりは、「水力」に含めるより、
実質的には「原子力発電」にともなうものと考えるべき発電だ。

そこで、水力を「一般水力」と「揚水」に分け、「揚水」を「原子力」にプラ
スしてみるとどうだろうか。

「一般水力」3.88円、「揚水」51.87円、「原子力+揚水」10.13円である。

つまるところ、原子力とそれに付随する揚水の発電費用は合わせて10円をこえ
るのに対し、一般的な水力発電は3.88円で済み、火力発電でも「原子力+揚
水」よりはかなり安くつく計算になる。

しかも、 電力料金に含まれる電源開発促進税を主な財源とするエネルギー対
策特別会計や一般会計から支出される財政費用は、原子力発電にともなう地元
対策費、自治体への交付金、技術開発などに大半が注ぎ込まれており、それを
含めると、原発は他の発電よりはるかに高コストなのである。

今回の福島第一原発の事故で原子力の安全神話は崩壊し、安い電気という洗脳
状態からもわれわれは完全に脱却した。

ウランが無限にあるかのごとき幻想を抱いている人がいるかもしれないが、石
油や天然ガスや石炭と同様、いずれは枯渇する資源である。原発が世界各地に
広がるほどウランの枯渇は早まる。

無限のエネルギーは、太陽や風や水といった大自然であろう。これらをいかに
利用するかが、人類が地球上で生存しつづけるための前提条件に違いない。

今後、原発事業は、使用済み核燃料の再処理、放射性廃棄物の処分、管理、貯
蔵などに膨大な資金を投じ続けねばならない。現在すでにその一部は電力料金
に算入されているが、今後、さらに算入対象となる費用は加わっていくだろう。

こんな危険で不経済な発電方式をいつまでも続けることに合理性はない。既存
の火力や水力発電所でしばらくは、電力需要を賄えるはずだ。一刻も早く原発
シフトを転換し、本気になって自然エネルギー活用の方向に国策を転じるべき
であろう。


国家権力&メディア一刀両断
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/



Posted by 管理者 at 14時47分   パーマリンク

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