2011年05月13日(金)
原子力事故の実態(8):それでも原発? [クリニックにて]
1号機が「メルトダウン」している事実が、やっと・・・本当にやっと東電から発表されました。
この事故は、3月11日の時点から、関係者は全員「メルトダウン」すると分かっていたはずです。心ある学者や専門家は、火を見るより明らかなものとして認知していたと思います。
事故後早々に各国の外交関係者が関東から避難したのは、米国を初め、原発の専門家が自由にコメントできる国からの、科学的な予測から
「1号機2号機3号機のメルトダウンは必至」
という真実の情報を知らされたからに他なりません。
真実を知らされていないのは、日本の国民だけです。
大前研一が東電の隠蔽体質を指摘
現場の人間は、事故当日の津波よりも前に圧力容器につながる配管から白煙が上がり、冷却水が漏れだしたことを知っています。
圧力容器と格納容器の破損を認知していたはずです。
その後に津波で冷却機能が失われました。
地震だけで、とっくに圧力容器周辺の配管と格納容器の圧力調整チャンバーは壊れていたのです。
さて、ここから隠蔽の始まりです。
想定外の原因に責任転嫁しなくてはいけません。
そうです、地震ではなく、津波にやられたと・・・
東電も政府も原発政策を今後も進めるという共通利害があるので、想定されていた地震で原発が壊れるようなら、国民に原発が危険極まりないものとバレてしまいます。
想定内の地震ではなく、想定外の津波によって壊れたことにしようと、国民を欺す方向性を地震翌日には決め込んでいます。
過去にも、国民には発表しない「漏れ出し事故」の隠蔽に馴れきっているので、
「対応可能な程度の損傷と、国民に思い込ませよう」
「最終的に何とか閉じこめに成功したら、やっぱり問題ないと発表しよう」
「漏れ出した放射性物質は隠蔽して、密かに冷却機能を修復しよう」
という、「希望的憶測で自らを甘やかし慣れた」東電の態度だったのではないでしょうか。
挙げ句の果てに、一企業の判断で世界に不義理をしてしまいました。
海に破棄するなら、自国の土地に破棄すべき汚物です。
汚染水1万390トンを海に放出 周辺諸国の反発(大前研一ライブ)
自分たちに都合が良いデータのみを発表し、都合が悪いものは、後日になって、計測の誤りと訂正を繰り返す・・・
これから、他の原子炉のメルトダウンも、いかにも、やっと判明したように発表されることでしょう・・・とっくにメルトダウンしているのにです。
冷却水に完全に埋没していない現況では、燃料棒は必ず溶融します。
小学生でも分かります。
@漏れるはずのない高度汚染水が漏れている→圧力容器が壊れている
A格納容器に入れた水と、溜まった水の量が合わない→格納容器も壊れている
B全ての原子炉で同じ症状→一機を修復できないなら、どれも修復できない
C一番症状の軽い1号機でメルトダウン→全てがメルトダウン
D3号機の圧力容器の温度が通常運転中よりも上がっている→3号機もすでに相当部分がメルトダウンしている
E圧力容器に注水した水がなくなっている→底に穴が開いている
F水がだだ漏れの状態の器を「水棺」?→汚染水を拡げるだけ
現時点までに、注水した水は、ほぼ全てが海と土壌に漏れ出しています。
9万トン以上です・・・
実際に漏れずに溜まったのは10%にも達していません。
綺麗な水を注ぎ込んで、直接放射性物質と接触した高度な汚染水が
全て漏れている状態です。
それでも注水を止めるわけにいかない現状です・・・
数々の放射線の測定値が発表されていますが、政府にとって都合の良ものばかりが選択されていることでしょう。
一般の心ある学者が総力を挙げて、現地で、測定作業を行えば、
直接燃料と接触した、大量の水が漏れだしている実態が明白になるはずですが、これらの測定が行われることはないと思います。
東電も学者も、政治家も官僚も、
原子力政策を維持するために、平気で、本当に平気で、詭弁を確信した上で、
良くも、あれだけの嘘デタラメをコメントし続けられるものだと感心します。
メルトダウンで水蒸気爆発が起きなかったのは、ある意味奇跡だと思います。
しかし、格納容器にも水が溜まらず、注水したほとんどが漏れ出ている事実から考えて、現状よりも水の漏れが大きくなり、冷却バランスが落ちる事態になると、メルトダウンした核燃料が、格納容器の底も溶破して、直接土壌に落ちることが、十分に想定されます。
最後の砦である格納容器に、溶出した燃料を冷やすだけの水を溜める機能が維持できるという、希望的観測にすがるしかないのが現状だと思います。
大前研一 最悪のシナリオメルトダウンしたらどうなる?
圧力容器も格納容器も破損して
メルトダウンして格納容器に融けた燃料が溜まり、さらに格納容器から汚染水が漏れだしている限り、現場の修復は汚染が酷すぎて事実上無理です。漏れを止める工事ができないのですから、
「水棺」は諦めて、格納容器の底に漏れ出した燃料が暴走しない最低必要限度の注水だけを維持しながら、放射性物質の物理的な「閉じこめ」に全力を傾けなければイケナイのではないでしょうか?
東電の作戦は「後手」にまわりすぎです。
福島にはチェルノブイリの3倍以上の燃料があります。
既に、チェルノブイリの事故を超えています・・・
現時点で死者もいないのに、大袈裟に騒ぐな!
と、お抱え学者は言います。
福島ではウランだけではなく、プルサーマ計画の実施でプルトニウムも燃料に含まれています。3号機にはプルトニウムがあります。
メルトダウンしている以上、これが漏れ出ることは必至です。
プルトニウムの汚染は20000年以上続くと言われています。
現場で作業されている方達の健康に支障が出てくるのは明らかです。
今後の汚染による被害は人類が経験したことのないレベルで、世界中に拡がると思います。ウランとは問題にならないくらい毒性が高いプルトニウムの拡散だけは絶対に避けなければいけません。
それでも、東電と政府は隠すでしょう。
死者が出ても、別の死因を当てつけるでしょう・・・
今後も、高濃度汚染水が海に浸みだしているのを黙殺するでしょう。
心ある学者の現地での直接測定は、今後も行われることはありません。
政府と東電に不都合な人物を排除する「危険区域」指定がすでに行われたのですから・・・現場の真実は今後も絶対に分からないと思います。
地震国のイタリアは原発からの撤退を決めました。
ドイツも決めました。
フランスが原発先進国だとしても、地震国ではありません。
地震国の日本で、数十年以内にまだまだ大きな地震が予想されている日本で、
それでも原発を続けるのでしょうか?
津波など来なくても、地震だけで原発は破壊された事実を無視して・・・
新エネルギーを、最大効率で引き出す技術を、是非、日本のエンジニアが開発してくれることを切望します。
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Posted by 管理者 at 11時25分
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