2006年12月25日(月)
医師のキャリア [美容医療界]
医学部を卒業して、国家試験に合格すると「医師免許」がいただけます。
しかし、この時点では誰も専門的な勉強も研修もしていません。
専門に研修する「科」が決まってから、医師と呼べるキャリアを身につけるのに
最低でも5〜6年は必要です。
ほとんどの学会では、<専門医制度>を持っていますが、
5〜6年間その専門科の指導に相応しい施設や指導医のもとでトレーニングを行ない、
一定数以上の臨床症例の報告をできるものに受験資格が与えられます。
<専門医>の資格を持っているから、優秀なドクターだとはいえません。
しかし、<専門医>に合格するまでの基礎トレーニングを受けたドクターと、
受けていないドクター・・・
その実力には大きな格差があると思います。
「デザインの通りに自在に切開して、痕(あと)が目立たないように縫合する」
その、単純な基本だけでも、一定のレベルに達するのに10年は掛かります。
ひらめきやアイデアがあっても基本ができていなければ、応用できません。
僕の恩師で、天才形成外科医と呼ばれた、故・田嶋定夫先生は
「美容外科は形成外科の基礎修錬を少なくとも10年以上してから、
形成外科の経験と技術のすべてを注いで行うべきものである。」
と、おっしゃっていました。
「卒後5〜6年を過ぎた頃は、何でもできると錯覚を起こしやすく危険な時期なので、
基本に立ち返り、気を引き締めるべきである。」
とも、おっしゃいました。
皆様の担当医師は卒後何年目でしょうか?
形成外科医になって15年、口腔外科医になって23年が経ちました。
私自身の事を<形成外科医>と胸を張れるようになったのは、自分の子供がケガをした時に
他のドクターに頼むよりも自分が処置をした方が良いと確信できた時だと思います。
最近、医師ご本人の美容外科手術の依頼をお受けする機会が増えてきました。同じ医師から信頼を頂けることはありがたいことだと感じています。
美容に興味がある人の気持ちにつけ込むようなクリニックが、同業の医師から選択されることはないと信じます。
<美容外科医のキャリア>とは何か・・・を噛みしめて、
「心身を引き締めて」研鑽していきたいと思います。
Posted by 管理者 at 10時29分
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